宮城県の特別表示認証食品に認定されている仙台牛。全国で唯一、肉質高級が最高ランクである「5」でないと名乗ることが出来ない最高級のブランド牛です。
どんなに肉質が良く等級が5でも、牛の体格が小さく、とれる枝肉の量が少ない場合も定義により仙台牛を名乗ることが出来ません。
この記事では国内最高峰の仙台牛を生産している農家さんにフォーカスし、こだわりの生産方法や基本情報などをご紹介していきます。
仙台牛の生産者のご紹介
純粋な血統を守るために農家さんで交配から出産、肥育まで一貫して行う事が多い国産和牛ですが、仙台牛は仙台牛として生を受ける和牛はいません。
というのも、仙台牛の規定により【同じ血統でも食肉市場に出荷された後、霜降りと赤身のバランス、きめの細かさなど厳しい基準をクリアし、最高ランクに格付けされた牛肉だけにしか『仙台牛』の称号が与えられない】からです。
仙台牛は繁殖農家(子牛生産農家)が10ヶ月ほど育てた子牛を肥育農家がセリなどで購入し、仙台牛の定義に沿って肥育農家が2年間丹精込めて肥育し、厳しい基準をクリアした牛のみ、仙台牛の称号が与えられます。
仙台牛レボリューションズとは
仙台牛レボリューションズ(通称「仙レボ」)はJAグループ宮城の「50歳までの若い担い手で仙台牛を盛り上げよう」という呼びかけによって仙台牛をアピールするために結成されたグループです。
参加人数は100名以上。皆さん専業の畜産農家で、皆で分担し宮城県内や東京のイベントに足を運ぶことで消費者と直接顔を合わせ、仙台牛のおいしさを知ってもらおうと活動しています。
株式会社 川村ファーム 川村大樹さん
川村大樹さんは仙台牛の肥育農家の三代目。仙台牛レボリューションズのメンバーです。
川村ファームで育てられた牛は2016年、2017年の2回、日本の牛肉の品質を決める「全国肉用牛枝肉共励会」において全国選りすぐりの約500頭もの中から、最高賞である名誉賞を受賞しています。この2度の受賞によって仙台牛は日本全国、いや、世界にその美味しさと質の良さを知らしめたと言っても過言ではありません。
宮城県は夏は暑く、冬は雪も降って寒い。この厳しい寒暖差の中で育った牛は優れた肉質になります。
また飼料として「稲わら」を食べさせているのも米どころの宮城憲らしい特徴です。
美味しいお米の稲わらを食べさせることで、よりお肉の美味しさ、質の良さも高くなります。
基本情報
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大崎市古川 鈴木佑哉さん
大崎市古川で肥育農家を行う鈴木さんは、味にこだわり雌牛を専門に飼育している仙台牛レボリューションズの一人です。
肥育数は約100頭で、脂の質を改良するために、炊いたうるち米を混ぜた自家配合の餌を与え、仕上げ時期には蒸して発酵させた玄米を給与することで、風味とうま味を増した牛肉を生産しています。
基本情報
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古川市 伊藤さん親子
大崎市古川にて肥育牛を生産している伊藤さん親子は雌の牛だけを育てる肥育農家。
牛舎の中の頭数が多いと、牛もストレスを感じ、それが肉質にも影響してくるので、牛舎に牛を詰め込まず、余裕を持たせて飼育しているそう。
31ヶ月以上育てている牛の中で、A5等級の牛の発生率平均して4割ぐらいになるそうです。
餌はササニシキとひとめぼれの稲わらと配合飼料等の他に、米ぬかを与えると脂の質が良くなるといわれているので、仕上期(後半)に与えることで良い肉質を保っています。
基本情報
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住所 | |
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的場牧場
宮城県柴田群村田町にある足立(あしたて)地区に位置する的場牧場。
牧場主の的場正彦さんは祖父の代から黒毛和牛種の肥育を手掛がける農家で三代目になります。
和牛は体は大きくても繊細な動物で騒音が苦手です。少しでもストレスを与えないよう、いつも穏やかな環境を維持する為に牧場の子供たちでさえ牛舎の近くで走って遊ぶ事は許されません。
衛生面からも外部の人間は立ち入ることができないよう、細心の注意を払っています。
肥育の為に使用する水は自然豊かな山の湧き水。
餌は宮城の稲わらの他、飼料米を餌に追加することでお肉をさらに柔らかくさせています。牛の体を大きくする「肥育」が第一ですが、大きな体でも健康な仙台牛を生産することに重きを置いています。
基本情報
生産牧場名 | 的場牧場 |
住所 | 宮城県柴田郡村田町 |
電話番号 | 0120-150-302 |
取り扱い品種 | 仙台牛 |
受賞歴 | 不明 |
直営店 | 的場牧場 |
公式ホームページURL | https://matoba-4129.jp/ |
公式Instagram URL | https://www.instagram.com/matobakyun/?hl=ja |
公式Twitter URL | なし |
三塚牧場
宮城県の北部に位置する登米市の伊豆沼と長沼に挟まれた丘陵地帯にある三塚牧場は、自家生産の稲ワラやモチ米、秋田杉の間伐材で作られた粉炭などを与え風味豊かできめ細やか、そしてほのかな甘みがする柔らかな肉質の仙台牛を一頭一頭大切に育てています。
稲ワラやモチ米は仙台牛の生産者さんも与えているようですが、三塚農場では粉炭とビール粕を配合しています。
粉炭を与えることで体内の老廃物を排毒させ、さっぱりとした味わいの脂に。ビール粕を与えることで胃の動きが活発になり赤身がジューシーに仕上がるそうです。
基本情報
生産牧場名 | 有限会社 三塚牧場 |
住所 | 〒989-4601 宮城県登米市迫町新田小友58 |
電話番号 | 0220-28-2471 |
取り扱い品種 | 仙台牛はさま牛 |
受賞歴 | 不明 |
直営店 | 三塚牧場 |
公式ホームページURL | http://mituzuka-bokujyo.com/?tid=3&mode=f1 |
公式Instagram URL | https://www.instagram.com/explore/tags/%E4%B8%89%E5%A1%9A%E7%89%A7%E5%A0%B4/ |
公式Twitter URL | なし |
佐々木畜産
宮城県の北部、登米市にある佐々木畜産はお父さんが畜産業を、その農場の隣で息子さんが動物病院を経営しています。
仙台牛を生産するのに仔牛を購入し肥育する農家が多い中、繁殖も行っています。
佐々木畜産は肉牛120頭・繁殖牛30頭・仔牛20頭の計170頭の管理を間が行き届くように少数精鋭のスタッフでおこない、和牛のコンテストにおいて、大賞を5回も受賞した品質の高さを誇ります。
近年では仙台牛枝肉共進会 in Tokyoにおいて、トップとなるチャンピオン賞を4年連続で受賞し、4連覇を達成するほか、令和元年7月の全農肉牛枝肉共励会でも名誉賞を受賞。登米産仙台牛の発展に大きく貢献する農場です。
基本情報
生産牧場名 | |
住所 | |
電話番号 | |
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登米市 千葉正一さん・孝幸さん親子
千葉さんはご両親と仙台牛の肥育を行っています。息子の孝幸さんは仙台牛レボリューションズのメンバーで、毎月仔牛を4頭仕入れ、4頭出荷し、常に80頭程の和牛を育てています。
宮城の名産品である「お米」の生産も行っており、千葉さんの育てる牛たちは、いつでも自家製の新鮮な稲わらを与えられ美味しく肥育されています。
基本情報
生産牧場名 | |
住所 | |
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受賞歴 | |
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大崎市 菅野畜産 菅野豊博さん
菅野さんは宮城県大崎市でお父様と一緒に仙台牛150頭を育てる生産者です。
菅野さんも仙台レボリューションズのメンバーのおひとり。
肥育した牛は令和2年の仙台牛のNo. 1を決めるJAグループ肉牛「仙台牛」担い手共進会で、チャンピオン賞に選ばれました。
お父様は従来の餌、ご自身は新しい餌を与えることでリスク分散をしながら農業を行っています。
仙台牛などの和牛は一般的な出荷月齢よりも月齢をおいたほうが食味がよくなるとされているそうですが、そうするとどうしても口に残り食べづらくなるようです。
菅野さんは飼料用米を与えることで脂の融点が低くし、あっさりと食べやすくなると考え、現在は自分で飼料用米を作り、その飼料用米を牛に与えることで肉の脂身の風味を向上させるなど、日々肉質の改良に取り組んでいます。
基本情報
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栗原市 窪田宗一さん・一憲さん親子
栗原市 窪田宗一さん・一憲さん親子は一憲さんの祖父の代から続く肥育農家です。
肉質自体がきめ細かく柔らかいうえ、食べたときに口の中で脂が溶けてとろけるような味わいが魅力の仙台牛を追求したいと考え雌牛にこだわって肥育しています。
便の状態を毎日観察することで健康管理を行い、餌はご自身の農場がある場所と同じ宮城県栗原産の米を発酵させて与えています。
基本情報
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栗原市 那須徳行さん・知則知則さん親子
宮城県内の北の方に位置する栗原市で肥育農家を行う那須さん親子が肥育しているのは約60頭。
ご自身の田んぼでとれるひとめぼれの稲わらと井戸水を与えられ、ストレスがかからないよう広い牛舎でのびのびと育てられた牛は5割ほどがA5として格付けされ仙台牛になれるそうです。
基本情報
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まとめ
以上、宮城県の特別表示認証食品に認定されている国内最高峰の仙台牛を生産している農家さんにフォーカスし、こだわりの生産方法や基本情報などをご紹介いたしました。
仙台牛は他の国産和牛とは異なり交配、出産から出荷までを一貫して行う農家さんがとても少なく、肥育農家さんが大変多いということに驚きました。
仙台牛として格付けされることを目指し、宮城の雄大な自然の中で愛情をもって体調管理を行い、宮城の銘産として名高いお米や稲わらを与えることで融点が低く口どけの良い脂を持った上質な仙台牛として成長してゆくことがわかりましたね。
なお、肥育する期間は約2年ほどだそうで、200キロ程の仔牛を2年で600~700キロまで肥育するそうです。
しかし、この600~700キロから取れる枝肉は370~420キロ程だそう。しかもA5、B5ランクでなければ仙台牛として名乗る事を許されません。
そして仙台牛の生産農家さん達は決して一代で農家を築き上げているのではなく、お爺様の代から牛の肥育に携わり、自家製の稲わらを与えるなど地域の特性を生かし時給自足で肥育を行っていることもわかりましたね!
皆さんも是非、貴重な仙台牛を味わってみて下さいね!